(10) 入札戦略について

【連載第10回】

デジタル広告の表示はオークションにより決定されます。オークションで広告表示ポジションを勝ち取るために最適な入札戦略を選択するのが重要です。今回は入札戦略についてご紹介致します。

広告ランクと入札単価

ブログ 9 回目「品質スコア」でも言及いたしましたが、広告ランクは「入札単価」×「品質スコア」+「広告オプションなど」により算出されます。品質スコアの重要性の説明はここでは省きますが、同様に入札単価も広告出稿の際に考慮しなくてはならない大切な要素です。以前は、入札単価は広告の予算を決めた後、広告掲載の目的に合わせて手動で調節してきました。しかしながら、Google の機械学習とビックデータの解析により、現在は自動入札の方が便利で使いやすく、手動で入札単価を調節するよりも効果的に高いパフォーマンスを獲得できます。

できる限り自動化できる部分は自動化し、広告管理者が手動で行わなければならない仕事に注力するようにしましょう。


自動入札とその利用条件

自動入札を導入することで、入札単価を自動的に調整し、目標CPAなどに合致するように広告表示がされます。この機能を使えば、毎日の運用は数値確認が主になります。キャンペーンや広告グループなどの管理、調整は少し手間がかかりますが、この調整が減る分、広告文の修正などほかのことに時間を割くことができます。また、広告の目的に合わせて自動入札してくれる上に、データを集計し機械学習が行われるため、結果的に手動で調整するよりも良い成果が生まれる可能性があります。ただし、一つのキャンペーンにおいて、過去 15 日間で、10 ~ 50 回のコンバージョンが発生していることが条件なことに加えて、学習期間として約 2 – 3 週間が必要とされます。また、データの集計をしている間は配信量を増加させる必要があるため、一時的にCPAが悪化してしまう場合もあります。

入札戦略を選ぶ

マーケティング目標にあった自動入札戦略を選びましょう。入札戦略を一度選んだ後も、2‐3 週間ほど広告を運用してパフォーマンスを確認してください。パフォーマンスが悪い場合は、他の入札戦略を試すのも一つの手です。ただし、すべての入札戦略を試すのはお金も手間もかかりますので、「下書きとテスト」の機能を使うことをお勧めします。


入札戦略の選択方法例


①初期段階: 最初から自動入札を導入

検索ネットワークはコンバージョン数の最大化を導入しましょう。「コンバージョン数が蓄積されるまで手動入札から始める」といったことはしなくてもよくなりました。

ディスプレイ広告はコンバージョン数の最大化、またはブランド認知が目標の場合は目標インプレッションシェアを導入しましょう。

  • 新規キャンペーンを作成した場合
  • 期間限定のキャンペーンの実施の場合
  • Google広告でのコンバージョン単価を把握する場合

②安定期:目標コンバージョン単価制 (tCPA) を導入します。

  • 過去の運用でコンバージョン単価水準が把握できている場合
  • 同じキャンペーンで月間15以上の累積コンバージョン数が獲得できている場合

③拡大期:目標広告費用対効果 (tROAS)コンバージョン値の最大化を導入を検討します。


検索ネットワークの自動入札戦略一覧

目標入札戦略
ユーザーのサイトへの訪問を増やすクリック数の最大化
広告の表示回数(可視性)を高める目標インプレッションシェア
設定した目標コンバージョン単価以下でコンバージョンを増やすコンバージョン数の最大化で、目標コンバージョン単価(tCPA) を設定する
設定した目標広告費用対効果に沿ってコンバージョン値や収益を増やすコンバージョン数の最大化で、目標広告費用対効果(tROAS) を設定する
予算全体を使おうとしながらコンバージョンを増やすコンバージョン数の最大化
予算全体を使おうとしながらコンバージョン値 (特に売上) を大きくするコンバージョン値の最大化

ディスプレイ広告の自動入札戦略一覧

目標入札戦略
ユーザーのサイトへの訪問を増やすクリック数の最大化
設定した目標コンバージョン単価以下でコンバージョンを増やす目標コンバージョン単価(tCPA)
設定した目標広告費用対効果に沿ってコンバージョン値や収益を増やす目標広告費用対効果(tROAS)
予算全体を使おうとしながらコンバージョンを増やすコンバージョン数の最大化
クリック数よりも広告の表示回数を増やす視認範囲のインプレッション単価
※ キャンペーンにより利用できる入札戦略は異なります。

動画広告の自動入札戦略一覧

目標入札戦略
設定した上限広告視聴単価以下でコンバージョンを増やす上限広告視聴単価
設定したインプレッション単価で動画の表示回数を増やす上限インプレッション単価
設定した目標コンバージョン単価以下でコンバージョンを増やす目標コンバージョン単価(tCPA)
予算全体を使おうとしながらコンバージョンを増やすコンバージョン数の最大化
クリック数よりも広告の表示回数を増やす視認範囲のインプレッション単価
※ キャンペーンにより利用できる入札戦略は異なります。

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