(8)キーワードの一致タイプについて

【連載第8回】

前回は Google 検索広告などでのキーワードの選び方についてご紹介しました。キーワードは、キーワード一致タイプ (keyword match type) も適切に選ぶ必要があります。

4 種類の一致タイプ

キーワードの一致タイプとは、設定したキーワードとユーザーが検索したキーワードが、どの程度一致していれば広告を表示するのか、広告掲載の範囲を決定するものになります。マッチタイプを知らずにキーワードを設定すると、関係のないキーワードで広告が表示されてしまったり、思っていたキーワードで広告が表示されない、などの問題が起こります。マッチタイプを上手に使い分けることで、適切に広告が表示され、予算を効率的に使うことができます。

マッチタイプには、「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」「絞り込み部分一致」の 4 つの種類があります。


完全一致

指定したキーワードと完全に一致する検索語句や、その類似パターンに該当する検索語句で広告が掲載対象となります。基本的に完全に一致した場合のキーワードに対して広告が表示されるため、ターゲットを絞ってアプローチをすることができます。完全一致タイプが、実際の検索語句とどこまで一致するかは、日々変化があり、今の2020年の時点では、文字通りの完全一致の範囲を超えてマッチするようになっています。

語順の入れ違いや「引越し」「引っ越し」「ひっこし」「 hikkoshi 」など表記ゆれ(漢字、ひらがな、カタカナ、誤字、省略形などの類似パターン)があっても、広告は表示されるようになっています。

また「検索の意図」とも一致し、(1) 暗示的な表現 (implied words)、(2) 言い換え (paraphrase)、(3) 同じ意味の別の言葉 (same intent) で検索されたときも広告が表示されます。

例えば「引越し オンライン 申込み」というキーワードを完全一致で登録した場合:

  • 「引越し オンライン 見積もり」(暗示的な表現)
  • 「引越し ネット 申込み」(言い換え)
  • 「引越の見積もり ネット」(同じ意味の別の言葉)

といったような検索キーワードと一致する可能性があります。

フレーズ一致

指定したキーワードと同じ語順のフレーズやその類似パターンに当たるフレーズが使用され、その前や後に他の単語が追加されている検索語句で、広告が掲載対象となります。ただし、フレーズの途中に別の単語が追加されている場合や、フレーズ内の語順が異なる場合は掲載対象になりません。

また、完全一致同様、表記ゆれがあっても表示されます。「東京 お土産」というキーワードをフレーズ一致で登録した場合、「東京 お土産 チョコレート」「東京 お土産 値段」「チョコレート 東京 お土産 値段」のようなキーワードは全て表示されます。

逆に、フレーズ(語句と語順)が同じでない「東京 おすすめ お土産」「お土産 東京」のようなキーワードの場合、広告は表示されません。

部分一致

部分一致のキーワードでは、誤字、送り仮名の違い、多少の言葉のゆれがある場合や、関連性のある語句で検索された場合も広告が表示されます。例えば、キーワードに「女性用 靴」を設定すると、ユーザーが「購入 レディース シューズ」、「男性用 靴」、「女性用 コート」で検索した場合にも広告が表示される可能性があります。

部分一致は最も拡張性が高く、より多くのユーザーにリーチして見込み客を獲得したいときに使うマッチタイプです。一方で、取り込みたい層と関係のないユーザーにも広告を配信してしまう可能性があり、設定によっては異常に広告費を消費することもあり注意が必要になります。

絞り込み部分一致

部分一致と似ていますが、部分一致よりも細かいキーワードの調整が可能で、文字通り絞り込みができます。キーワードプラス記号を付けたキーワード(例: 「+東京 +お土産」)やその類似パターンが検索語句に含まれる場合にのみ、広告が掲載対象となります。すなわち、フレーズ内の指定したキーワードが入っていれば前後やキーワードの間に別の語句があっても表示されるので、フレーズ一致よりもさらに拡張性は高まります。

例えば、「+東京 +お土産」のようにキーワードを絞り込み部分一致で登録すると、「東京」と「お土産」が含まれていれば、「お土産 東京」のように語順が入れ替わったり、「東京 人気 お土産」のように間に別の言葉が入っても広告として表示されます。部分一致よりもターゲットを絞り込みつつ、フレーズ一致よりは幅広くユーザーに配信したい場合に有効なマッチタイプです。

弊社の経験では、キャンペーンを始めて作成する場合などは、フレーズ一致や、絞り込み部分一致から始めるのがよい結果に繋がることが多いです。


キーワード挿入機能

キーワード挿入機能とは、ユーザーの検索語句と一致したキーワードを説明文に動的に挿入する機能です。例えば、チョコレートの広告を出す場合、広告見出し文を、絶品{KeyWord:チョコレート}  とします。すると、「ダークチョコレート」と検索したユーザーには「絶品ダークチョコレート」、「シュガーレス チョコ」と検索したユーザーには「絶品シュガーレス チョコ」と表示されます。

しかし、「高級チョコレート トリュフ」と検索したユーザーには、広告の見出し文の文字数制限をオーバーするため「絶品チョコレート 」と表示されます。拡張テキスト広告や、レスポンシブ広告の見出し文は最大 30 文字(全角 15 文字) となります。

広告の見出し = 絶品{KeyWord: チョコレート}

入力されたキーワード広告の表示
ダークチョコレート絶品ダークチョコレート
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シュガーレス チョコ絶品シュガーレス チョコ
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高級チョコレート トリュフ セール絶品チョコレート
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デジタル広告でキーワード毎に広告文を変更することは非常に重要なことですが、キーワード 1 つ 1 つに広告文を設定していくと、手間がかかってしまいます。そこで、キーワード挿入機能を利用することで、1 種類の広告文でもキーワードに合わせて動的に表示させることができるようになります。

広告カスタマイザを利用すると、さらに地域や時間に応じて柔軟に広告文を自動的にカスタマイズさせることが可能です。広告カスタマイザについては別エントリーでご紹介させてください。

広告カスタマイザの詳細 (Google 広告ヘルプ):
https://support.google.com/google-ads/answer/6072565?hl=ja

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