(5) Google 広告の料金の仕組み

【連載第5回】

今回は Google 広告における課金の方式についてご紹介します。一般にオンライン広告の課金方式には、「クリック課金」と「インプレッション課金」があります。

広告費が課金される方式:クリック課金

クリック課金とは、ユーザーがクリックするごとに広告費が課金される方式です。 Google や Yahoo! でキーワードを検索した際に、ページ上部に表示されるテキスト広告(【広告】という表示がついているもの)やバナー広告をクリックした時点で広告料金が発生します。広告がクリックされる度に広告費が発生するため、裏を返せば何回広告が表示されても、クリックされない限り広告費はかかりません。

さらに、自社サイトへの流入が広告のクリックからと明確なため、その費用対効果を容易に分析することができます。例えば、Google Analytics では、流入のソース/メディアが、google/cpc のように一眼で区別がつきます。

一方、クリック課金のデメリットは、競合が多いキーワードでは広告費が高くなる点です。また、ユーザーがクリックする数に比例して広告費が予定以上に膨らんでしまう(または見通しより早く予算の上限に達する)ことがあります。そのため、広告を出稿した数日は、クリック数の動向などを注意深く確認する必要があります。


広告費が課金される方式:インプレッション課金

インプレッション課金とは、広告が 1,000 回表示されるごとに広告費が課金される方式です(注:配信する媒体によって回数の規定が異なります)。ディスプレイ広告や SNS 広告などで多く採用されています。購入やお問い合わせなどのユーザーアクティビティが目的ではなく、周知が目的で、広告をたくさんの人に見てほしい時に適しています。

インプレッション課金のメリットは、クリック数に左右されないため、広告費がかかりすぎてしまうようなクリック率の高い広告でも広告費を抑えて運用ができる点です。一方でデメリットは、表示に対して課金がされるため、サイトへの流入やお問い合わせなどの具体的なアクティビティへの繋がりも期待される場合は特に、お客様がクリックしたくなるように工夫して広告を作成することが重要です。また、クリック課金とは反対に成果が分かりにくいため、広告の費用対効果分析が難しいです。


Google 広告の掲載場所取りとオークション

それでは、どのようにして掲載される広告およびその掲載場所 (ポジション) は決定されるのでしょうか?

ユーザーから見てどの広告がどの順番で表示されるかは、広告オークションによって決定され、ユーザーが検索するたびに毎回行われています。どの順番かは、広告ランク (Ad Rank) と呼ばれます。広告ランクの計算には、いくらお金を払えるかという入札金額(クリック単価)に加えて、広告の品質スコア (Quality Score) も考慮されます。全ての広告は、広告オークションのたび (つまり、誰かがGoogle検索をしたタイミング) に広告ランクが計算され、広告ランクをもとに掲載の可否と掲載順位が決定されます。品質スコアは、1 – 10 点の間で自動的に計算されます。

入札金額とは、1 クリックに対して最大いくらまで支払えるか、1,000 インプレッションあたりいくらまで支払えるか、広告主が設定する金額のことです。上限クリック単価( 上限CPC, Cost Per Click)と呼ぶこともあります。手動入札戦略を使用するときは特に、入札金額には、1 クリックで支払っても良い金額より10-20%は高めに設定するようにしましょう。

一方、品質スコアを決める 3 大要素は、以下になります。

  1. 推定クリック率: 入札単価に対して、広告がクリックされる可能性の高さ
  2. 広告の関連性: 検索内容に込められたユーザーの意図と広告との一致の度合
  3. 広告のリンク先 (ランディングページ) の利便性: ユーザーにとってのページの関連性、情報の透明性、操作性

基本的に広告ランクは「入札金額」と「広告ランク」を掛けて算出されます

「入札金額」×「品質スコア」= 広告ランク

そして、広告ランクが高いほうが掲載順位は高くなり、つまり検索結果の上位、ページの上部に掲載されます。品質スコアの良し悪しが、広告掲載に大きく影響します。

広告オークションの一例が下の図になります。 A 会社の広告ランクが 20 (品質スコア:10 × 最大入札単価: 200 円 )のため、広告がユーザーが検索した際に一番初めに目に付く一番上に掲載されます。なお、 A 会社が支払うクリック課金は、 最大入札単価として設定した 200 円 ではありません。

その計算方法は、

[実際に支払うクリック単価] = [次位のAdランク] / [自分の品質スコア] + 1円

になります。そのため、今回の場合 A 会社が支払う金額は、

  • 次位のAdランク = B会社のAdランク = 1800
  • A会社の品質スコア = 10

よって、1800 ÷ 10 + 1 = 181 円 になります。

なお、実際の広告オークションでは、入札金額および上記の 3 要素に加え、さまざまな要素に基づいてリアルタイムで広告ランクが算出されます。

品質スコアについては、また別のエントリーでご紹介致します。

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3 Replies to “(5) Google 広告の料金の仕組み”

  1. […] ■連載一覧第1回 デジタルマーケティングの基本、メリットとそのゴール第2回 Google 広告、YouTube 広告、Facebook 広告などオンライン広告の種類と特徴第3回 デジタル広告市場の拡大と潮流について第4回 デジタルマーケティングの流れ第5回 Google 広告の料金の仕組み第6回 アトリビューションモデルについて […]

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  2. […] 広告の入札オークションに直接作用するのが、広告の品質スコアと、入札クリック単価、広告表示オプションになります。広告オプションは、Google 広告の管理画面で確認することができないため、広告の関連性、推定クリック率、ランディングページの利便性の評価を追いながら、品質スコアを改善し、より安いクリック単価で入札できるように、品質スコアを意識して活用することが重要です。入札オークションに関しては、連載第 5 回目「 Google 広告の料金の仕組み」もご覧ください。 […]

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  3. […] 連載第 5 回目で Google 広告の料金の仕組みについて取り上げましたが、今回は Google 広告を出稿する際の予算の考え方と、その支払方法についてご紹介いたします。 […]

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(21) Google 広告- 予算の考え方と支払方法 – Voice4u株式会社 へ返信する コメントをキャンセル

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