(21) Google 広告- 予算の考え方と支払方法

【連載第21回】

連載第 5 回目で Google 広告の料金の仕組みについて取り上げましたが、今回は Google 広告を出稿する際の予算の考え方と、その支払方法についてご紹介いたします。


Google 広告 の 1 日の予算とは

Google 広告 ではキャンペーンごとに1日の予算を設定することができます。

(例) 1日の予算を 10,000 円に設定した場合
1 ヶ月あたりの請求額が 10,000 円 × 30.4 日 = 300,400 円以内におさまるよう、Googleのシステムによって自動的に調整が行われます。30.4 は、365 日を 12 か月で割った数字になります。

もし実際に広告が 1 日の設定金額よりも、多くクリックや表示された場合は、設定金額の 2 倍を限度まで課金されます。例えば 、1 日の予算が 10,000 円のキャンペーンがあり、昨日の費用が 30,000 円だとします。この場合、予算の 2 倍の 20,000 円が課金されます。
また、日本に住所登録している会社が広告を国境を越えて海外に掲載したとしても、決済は日本円でされます。

消費税について ( 2019 年 4 月 1 日より)

Google は日本の消費税について以下の通り記しています。
“ 2019 年 4 月 1 日より、グーグル合同会社がサービスの提供者として月別明細書を発行することになりました。このため、日本では Google 広告の売り上げに 10% の消費税(JCT)が課せられます。会社の住所が日本国内にある Google 広告アカウントには、この変更が適用されますのでご注意ください。”

例えば、Google広告での1日の予算を 10,000 円に設定した場合は、10,000 × 30.4 × 1.1 = 334,400 円を広告予算として準備してください。消費税分 10% を忘れずに勘定してください。

1 日の予算の考え方

Google 広告予算設定の考え方 (1)

獲得したい目標売上数と売上ごとの利益、および、総利益のうち広告費に充てる割合から考えます。
例えば、靴の EC サイトを運営しているとします。1 足当たりの原価は 1,000 円 で、3,000 円で販売しています。つまり、1 足売れるごとに売上利益が 2,000 円生じることになります。
EC サイトの目標売上数を 500 足とした場合の総利益は、500 足 × 2,000 円 = 1,000,000 円となります。この総利益のうち広告費に 5 %を充てるため、広告費の月額予算は、1,000,000 円 × 5 % = 50,000 円となります。
1 日の予算は、50,000 円 ÷ 30.4 日となり、約 1700 円と計算されます。


業種・業界別の売上に対する広告宣伝費の割合

総利益のうち広告費に充てる割合は、業界や業種によりさまざまです。下記は、各業界・業種の売上に対する広告宣伝費の割合になります。ぜひ参考にしてみてください。

業界・業種名売上に対する広告宣伝費の比率・割合
外食・関連サービス5%
化粧品・健康食品会社10%
不動産4%
教育3%
通販・サービス業15~20%
化粧品業15~20%
流通業1~3%
自動車業界1~2%
飲料業界5%
金融業界1~5%
販促の大学「業種別・業界別広告宣伝費(販促費)の売上比率・割合の平均」より

Google 広告予算設定の考え方 (2)

先ほどの Google 広告予算設定の考え方 (1) にリピート顧客を考慮に入れた考え方です。商品が同じ購入者から複数回に渡って購入される場合、顧客の平均リピート回数を考慮します。
(1) と同様にEC サイトの目標売上数を 500 足、平均リピート回数が 1.5 回 である場合、その総利益は、500 足 × 2,000 円 × 1.5 回 = 1,500,000 円となります。
この総利益のうち広告費に 5 %を充てるため、広告費の月額予算は、1,500,000 円 × 5 % = 75,000 円となります。
1 日の予算は、75,000 円 ÷ 30.4 日となり、約 2500 円と計算されます。


Google 広告予算設定の考え方 (3)

1 ヶ月間などの一定期間内の目標売上金額から計算します。
例えば、靴の EC サイトの 1 ヶ月間の目標売上金額は、1,000,000 円です。1 コンバージョン(1足売れる)ごとに 10,000 円の売上があるとします。この場合、必要なコンバージョンの回数は、1,000,000 円 ÷ 10,000 円 = 100 回となります。
ここで、過去の統計やキーワードプランナーを利用し、平均クリック単価(平均 CPC )は 150 円と分かりました。
また同様に、過去の広告の統計からコンバージョン率を 2 %とすると、ウェブサイトに来た 100 人のうち 2 人がコンバージョンするという意味ですので、1 コンバージョンに必要なクリック数は 50 クリックと推定されます。計算としては、1 ÷ [コンバージョン率] = 1 ÷ 2% = 50 クリックで求められます。 
平均コンバージョン単価(平均 CPA )は、平均クリック単価 × 1 コンバージョンに必要なクリック数で求められるので、150 円 × 50 クリック = 7,500 円となります。
目標売上達成に必要な月額予算は、平均コンバージョン単価 × 必要なコンバージョンの回数で計算できるので、上記の場合、7,500 円 × 100 CV = 750,000 円となります。
1 日の予算は、750,000 円 ÷ 30.4 日となり、約 24,671 円と計算されます。


上記考え方についての注意:

  • 100 万円の売上に対して 75 万円の広告予算では ROI = 33 %は小さく見えるが、新規顧客獲得ができ継続的に買い物をしてもらえる初期費用という考え方もできる ( LTV の価値を知る)
  • コンバージョン率および CPC を改善することで 1 回の CV あたりの利益効率も改善できる。

費用の支払い方法

広告費の支払い方法は、手動支払いと自動支払いの2種類があります。

手動支払い事前に一定額の入金を行い、その入金額の範囲内で広告を掲載することができます。入金額を使い切った時点で広告掲載がストップします。
自動支払い使用した分の料金を後からクレジットカードで支払います。支払いのタイミングは後述します。

自動支払いにおける請求タイミング

  • 請求のタイミングは、前回の請求より30日が経過した時点、もしく利用額が支払い基準額(アカウントに対して自動設定される)に到達した時点のどちらか早い方となります。
  • 支払い基準額はアカウントに対して自動的に設定され、利用状況に応じて引き上げが行われます。

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